先日、CP+2024でようやく国内初お目見えとなったスワロフスキー AX VISIO
 まったく新しいスマート双眼鏡というモデルがどんなものなのかを今回レビューいたします!
 
スマート双眼鏡 AX VISIOとは?

 今回発表されたAX VISONはスマート双眼鏡ということですが、そもそもスマート双眼鏡とはいったい何なの?というところからご説明いたします。
 まずこちらのモデルはスワロフスキー・オプティックが6年前から開発していた新機軸の双眼鏡で、スマートフォンとの連動によって通常の双眼鏡にはない様々な機能を使うことできます。
 今までも防振機能やレンジファインダーが内蔵された双眼鏡はありましたが、AX VISIOは双眼鏡として観察しながら、以下のことができます。

〇野鳥の識別
〇哺乳類の識別
〇写真/動画の撮影
〇方位、角度の表示
〇観察対象の共有


 野鳥観察中に鳥の種類を調べたり撮影したりということはよくあることですが、AX VISIOはそれらを観察しながら楽しめてしまうのです。
 倍率は10倍。口径は32mmですが、この手の機能付加モデルにありがちな光学機能の低下は見られず、ELクラスの像質で観察を楽しむことができます。
 
 
スマートフォンとの連動

 AX VISIOはスマーフォンと連動させることでその機能を発揮することができます。
 お手持ちのスマートフォンにスワロフスキーアウトドアアプリという専用のアプリをインストールし、使用する時はスマートフォンのアプリを立ち上げて、AX VISIOに接続します。
 スワロフスキーアウトドアアプリではAX VISIOで撮影した写真や動画の管理、識別した結果の確認や、AX VISIO本体の設定などができます。
 また、今後追加される新機能をAX VISIOにインストールするのにもこちらのアプリが必要になります。


 それでは各機能を紹介します。
 
野鳥の識別 

 観察対象を視界に捉えながらAX VISIOのボタンを押すと識別が始まります。
 
 

 すると画像のように視界の中に野鳥の識別名が英語で表示されます。
 ※この記事のAX VISIOの視界の写真に写る赤い四角はスマートフォンのカメラで撮影しているから映るもので、肉眼で見る場合は中央の点と文字だけが見えます。
 識別時の環境によっては識別に失敗してしまうこともありますが、別を行うたびに写真としてAX VISIOに保存され、アプリ上からさらに詳しい識別を行うことができます。
 また、アプリ内からは識別した際の写真と共に識別名、日時、座標のデータも見ることができます



 
哺乳類の識別

 こちらも上記の野鳥の識別機能とほとんど同じようなものとなります。

 

 観察しながらボタン一つで識別ができるのは非常に便利です。
 英名がわからなくてもデータは残りますので、後で調べるということも可能です。
 ちなみに哺乳類の識別を人間に行うと、ちゃんとhumanと表示されます。
 
写真/動画の撮影

 手元のボタンで撮影モードを切り替えることで写真と動画の撮影を行うことができます。
 このモードにおいてカメラのフォーカシングは双眼鏡のピントとは別にボタンの短押しで行います。



 上部の表示でカメラとビデオが切り替わります。



 そしてこちらが実際に撮影した写真。
 まだテスト段階のものなので甘いですが、使い慣れてくればもっとしっかりとした写真を残せると思います。
 ※掲載上のデータ容量の都合で像質を落としています。



 動画がこちらです。
 お恥ずかしい話、筆者の使い方が上手くないこともあり手ブレが多く出てしまっています。
 しかしながら増質も悪くなく綺麗に映っているので実用性は高いと思います。

 

 また、この撮影モードではスマートフォンのアプリ上からAX VISIOが観察している=カメラ、ビデオで写している視界を共有することができます。



 アプリ上からの撮影や録画、またQRコードを読み込むことでの視界の共有などができます。
 
方位、角度の表示
 
 このコンパス機能を使うと視界の中に方位と径射角が表示されます。

 

 双眼鏡を向けた方向でスムーズに表示が変わります。
 また、それぞれ方位のみ角度のみの表示に切り替えることができます。
 
共有機能

 こちらもまたスワロフスキーらしい観察現場でのことを考えた機能。
 この機能を使うと観察している対象にマーキングをすることができます。
 こちらはアンテナにマーキングをした状態。



 それから少し体をずらしてアンテナの近くを覗くとこうなります。



 画面右側の方にあるアンテナに向かって→が表示されていますね。
 このように隣で見ている人に自分が観ていたものを教える機能というわけです。

 これも野鳥の観察現場であるあるな話ですね。
 大きく離れてしまうと、元の座標がズレてしまうので隣で見ている人教える機能です。
 
それ以外にも……

 現在AX VISIOで扱える機能は以上になりますが、モード選択のリングには二つの『お気に入り』というモードと外部アプリ連携モードというものがあります。
 こちらは今後新しいアプリケーションや機能が追加された際にスワロフスキーアウトドアアプリ上から機能の追加、連携が行えるものとなっています。
 現在の商品形態で終わり、というわけではなくスマートフォンのように機能のさらなる追加やアップデートが可能になっています。


 また上記の各機能使用時のデジタル表示は観察時の手元のボタンで表示と非表示を簡単に切り替えられるので、観察をしっかり楽しむこともできる双眼鏡になっています。
 
AX VISIO 本体部分

 さて、ここまではAX VISIOの最大の特徴であるスマート双眼鏡としての機能を紹介しましたが、ここからは双眼鏡本体を見ていきたいと思います。

 

 電子機器が搭載されているのでどっしりとした印象。重量は1090gなので大口径モデルと同じくらいなイメージです。
 ストラップなどは現行のNLなどと同じものが付属します。

 

 こちらの三つのボタンでAX VISIOの機能を操作します。
 右上のボタンで撮影をしたり識別をして、左上のボタンで各機能内での切り替えを行います。左下は電源ボタンです。

 

 アイカップの間にあるリングでモードを切り替えます。

 
 

 スワロフスキーの主な機種とのサイズ比較。
 やはり大型にはなります。



 厚みも少しボリュームがあります。
 とはいえ大型の防振双眼鏡くらいと言えばそれくらいかもしれません。
 
はたしてAX VISIOの魅力とは!

 以上がAX VISIOの紹介となります。
 使用して感じたことを素直に言いますと、「思ったより楽しい」ということでした
 最初はスマートフォンと連動した双眼鏡ということで、通常の双眼鏡よりも重く手間も多いだけのものになるのではと思っていましたが、実際に触ってみると重さは確かにあるものの、創造よりもずっとハイレベルな多機能双眼鏡で、観察中にあれこれ持ち帰ることなくこれ一つで完結するのは大きな魅力だと思いました。
 今後も専用アプリから機能の追加やアップデートがあるということで現代の基準に沿った電子機器搭載の双眼鏡――正しくスマート双眼鏡と言えるものに仕上がっています。
 

 余談ですがAX VISONは日本国内で販売されるものは「AX VISIO 10x32JPN」というのが商品名となります。
 これは日本国内の電波法に則した仕様となっており(といっても機能自体の変化や制限といったものはなく)商品への技適マークの掲載などといった事情によるものです。
 なので、並行輸入や海外で購入したものを国内で使用すると電波法違反となることを気を付けてください……。
 
AX VISIO 好評予約受付中!

 
 以上、AX VISIOのレビューでした!
 2024年3月現在では近日発売ということで正確な発売時期が未定という状態になっておりますが、スワロフスキーの製品なので初回入荷量は少なく、予約待ちということも予想されますので、ぜひ使いたいという方はお早目のご予約をお勧めいたします!

 

【予約】AX VISIO10x32 JPN

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