こちらの記事でも取り上げ、既に発表はされていたスワロフスキー・オプティックの新型フィールドスコープ『AT Endura 21-65x75』のデモ機を触らせてもらう機会を得ることができたので、試用した所感をここに紹介する。
まず、この機種名のAT Enduraだが「エンデュラ」と読む。聞きなじみのない言葉だと思うが、その意味は耐久力・持久力だ。そういう名付けをした意図は、長くフィールドで使い続けられるよう設計された、軽量のフィールドスコープとされている。
では実際に触れて使った感覚はどうかに迫ってみよう。

現在スワロフスキーのスコープは旧来からのモデル『ATS/STS』と、コンパクトモデルの『ATC/STC』、防振機能の『AT/ST Balance』、そして分離交換の『Xシリーズ』が存在する。
その中でAT Enduraが最も近いのはATS/STSのモデルだ。対物レンズ径75mmという数字が正しくそれであり、サイズ感や重量もS65とS80のちょうど中間くらいに位置する。また、21-60という倍率もだ。
このモデルはアングルタイプのみになり、ATC/STCやBalanceのようなアイピースと一体のモデルになっている。
かつてはアイピースを交換するのが普通ではあったが、Enduraの名が示すように一体とすることで堅牢さを持たせたのだろう。
操作感はシンプルそのもので、正しくベーシックと言える。
そういう意味でもやはりど真ん中のモデルと言えよう。
その日はあいにくの天気だったが、光学製品の本領を発揮するのはこういった日である。最もバランスが近いXシリーズから2機種との比較を行った。
まずは65mmとの比較だが、視界はATX65が41-23m(1000m)。対してエンデュラは33-18m(1000m)なので、比べると視界は狭くなる。像質もやはりXシリーズに軍配が上がるように思えた。そもそもXシリーズはスワロフスキーのスコープにおいてフラッグシップモデルである。やはりそこはズラさないように性能差は付けているように感じた。
それは85mmでも同様ではあったのだが、Enduraにももちろん勝っている点は存在する。まず、スペック上では光の透過率が90%とXシリーズのものよりも高くなっている。
そしてもう一つは試用した上での感覚であるのだが、ズーム時の像質においてはEnduraの方が勝っていると感じたのだ。
もちろん同じ60倍での倍率である。
Xシリーズが登場したのは2012年。今もなお最高クラスのスコープであるのに間違いはないが、ズーム時の像質の変化といった点に関してはやはり最新モデルのほうが低下を抑えるような技術が使われているのかもしれない。
なお、写真はスマホのカメラでアダプターを使わずコリメート撮影したものである。
以上がAT Enduraを試用した所感だ。
販売に関する正式な国内での発表はまだ少し先になるとのことだが、このモデルがぶつかってくるのはATS/STSだろう。未だに愛用するユーザーも多いモデルだが、サイズ感、価格帯などでより新型なこちらに移っていくのではないかと筆者は考える。
実際、ど真ん中のモデル故、倍率や口径で各機種の中間でいいとこどりをしたようなバランスだ。価格もまだ未定だが、Xシリーズほどの価格にはならないらしい。
Enduraを中心に置き、そこからコンパクトにするならATC/STC。防振機能ならBalance。より性能を求めるならXシリーズという購入チャートになる。
そんなモデルがAT Enduraだ。迷ったならこれ、というチョイスもできるモデルだろう。